なぜスナックは潰れないのか?ファンビジネスの根幹がそこにある?

なぜスナックは潰れないのか?ファンビジネスの根幹がそこにある? オススメ書籍







地方や自分が住んでいる街には、意識して見てみると必ずスナックが存在しています。大都市などの繁華街にある綺麗なスナックならまだしも、お世辞にも綺麗とは言えない店構え、シャッター通りになっている商店街にポツリと店を開いているスナック。なぜスナックは潰れないのだろうか?こんなことをあなたは思ったことありませんか?

そして、スナックが潰れずに経営できている要因を掘り下げてみると、そこにはファンビジネスの根幹があることに気付かされます。今回はスナックが潰れない理由を解説していきます。

スナックが潰れない理由①ビジネスモデル

まず1つ目に挙げられのは、そもそもスナックのビジネスモデルが非常に潰れにくい設計になっていることです。スナックの財務面を見てみると、コストを最小限に抑えながら売上を上げることができる仕組みなのです。

スナックの固定費

スナックの固定費は非常に低く抑えられる傾向があります。多くのスナックでは、オーナーであるママの自宅の1階等を改装しています。また、坪面積も小さくて成り立ちます。人件費においてもママひとりと、多くてもバイトの子がもう1人いれば成り立ちます。

スナックの変動費

スナックではとびっきり美味しいお酒を出しているわけではありません。普通のお酒を出し、定番の乾き物やお菓子などを用意しておけば、お客さんも満足してくれます。お客の人数に応じて変動する食材も低く抑えられます。

スナックが潰れない理由②モノ消費ではなくヒト消費

さて、ここから本題になりますが、スナックの経営がファンビジネスの根幹であることがわかります。

最近ではテレビやネットのニュースなどでも「モノ消費からコト消費。体験型消費がこれからは必要〜」なんて言葉が報じられていますが、まさにスナックの現場でもコト消費=ヒト消費によってお客さんが満足しているのです。

先ほども述べましたが、スナックにくるお客さんはスナックで美味しい料理や美味しいお酒を求めに来てはいません。ママからの親身なアドバイス、人には言えない悩みや弱さなどをさらけ出し、お客さんは承認欲求を満たすことができます。また、ママとの間に生まれる絆によって、そのスナックの狭い空間で出来上がったコミニュティが成り立ち、所属欲求も満たされます。

このようなコミニュティが成り立つ条件は、以下の5つがあります。

①余白の存在

スナックにおいては、ママが余白のある存在で、決して高級クラブやキャバクラのように綺麗な女性である必要はありません。また、多少料理がマズかったり、お酒で潰れてしまったりしても、その未完成の感じが共感を誘い、みんなでママを支えようという結束力が生まれます。

②常連客の存在

スナックの多くは長年通っている常連客の存在で営業しているところが多いはずです。確かに一見さんが入りにくいような店内の雰囲気、店構えになっているスナックを想像できるのではないでしょうか?

③仮想の敵

スナックのように店内が狭い中で、酒に酔った男たちが集まれば、揉め事が起きることも珍しくはありません。そんな時にママのことを責める客がいるようであれば、みんなでママを守ろうと結束力が働き、トラブルを起こした客は仮想の敵になっています。

④秘密や共通の言語

先ほどのようにトラブルが起きてしまった場合には、このことを他のお客さんには言わないで、ここだけの話にしておこうとなります。また、その地域ならではの共通の言語(地域ネタ・地元のお店情報)などがあると、よりコミュニティは深まります。

⑤共通の目的や共通のベクトル

スナックであれば、ママを支えていくという目的。店を潰さず、自分たちの集まる場所を守っていこうとするベクトルが存在します。共通の目標や目的があると、よりコミニュティが深まっていきます。

スナックはファンビジネスの根幹

このようにスナックのビジネスを掘り下げてみると、潰れない理由がよくわかります。そしてスナックこそが意外にも、ママという人との間に生まれた絆を通して、コミニュティが形成され、ファンビジネスが成り立っていたわけです。

参考文献
人生の勝算 (NewsPicks Book)